札幌市北区拓北にある札幌工場。ここで、年間を通して販売される商品からスポットでの注文まであらゆる商品を1年中作り続けている。 まさに、三晃化学の商品の心臓部とも呼べる施設だ。 札幌工場では、社員とパート合わせて約30人の従業員が日々ものづくりに励んでいる。
取材を行ったこの日は、種芋に虫が付着するのを防ぐ「防虫ネット」づくりが行われていた。ネットは、縫っていく際に生地が縮んでしまうなど縫製の難しさがある。
そこで、三晃化学では2人がかりで生地を伸ばしながらミシンで縫っていく。 ネット以外にもシートの加工も数多く手がけており、幅広のシートを製造する際にはウェルダーや熱コテといったシート同士を溶着する機械をシートや商品の特性を鑑みて使い分けている。これらの作業もシワになりにくいようするノウハウが蓄積されている。 こういった丁寧な作業が、三晃化学の高品質な商品作りに繋がっているのだ。
三晃化学のものづくりの特徴は、できる限りお客様の要望に合わせたサイズや仕様で、商品の製造が可能だということだ。オーダーメイドのものづくりを支えるのが、工場の広さである。大きいものは、工場のサイズが小さければ、検品することは難しい。しかし、札幌工場の作業場面積は約650㎡とかなり広い。この日、製造されていた防虫ネットは18m×30mという大きなサイズの商品。この大きな商品でさえ、工場内にて手作業で製造することや縦に広げて長さを測るように丁寧な検品をすることができるのだ。
そのほかにも、フレコンの縫製作業が行われていた。フレコンは、フレキシブルコンテナバッグの略で、作物や肥料、さらに土などの荷物を保管、運搬するための資材だ。三晃化学では、立体縫製という特殊な縫い方ができる従業員も多く、三晃化学だからこそ可能な丈夫で高品質な製品を製造することができるのだ。また、三晃化学では、規格や数量、さらに使用する用途に合わせた製品を作ってもらえるのが特徴である。
三晃の工場は、整理整頓が徹底されている。用具が決められたところにしっかりと管理されているのが特徴だ。異物混入などトラブルは最も避けなくてはいけない。
あらゆる、規格の商品を作れる背景には、作り手の経験や高い技術力がある。札幌工場で働く従業員は、この道20年のベテランから1年目の若手まで様々だ。従業員が、お互いのセクションに分かれてそれぞれのパーツを担当する。各パートを担当する従業員が高いプロ意識を持って自分の役割を果たし、最終的に1つの素晴らしい商品が誕生する。
ある従業員は、三晃でのものづくりにおける楽しみについて「これまでは出来なかったことが、出来るようになったときに喜びを感じる」と話していた。つまり、歴史のあるものづくりの現場において商品も従業員のスキルも日々向上されているのだ。長い歴史のある現場だからこそ、安心出来る品質の商品が生まれ続けるのである。
高い意識や危機感を感じながら、日々仕事に向き合っている従業員ばかりだ。この工場には、長年の歴史と高い品質の商品を支える素晴らしい職人で溢れている。
〈文責:イリリアント株式会社 西川賢 https://nishikawasatoru.com〉